英検®1級 単語の勉強法【1ヶ月で2000語暗記】| 独学で合格

勉強が苦手で、平凡な学歴の私が英検一級対策のために一ヶ月で2000語以上暗記した学習法を紹介します。

「英検になかなか合格できない」という悩みを持つ方は、単語学習を充分にできていないことが多いです。今回は、私が英検一級に合格するために実際に行った英単語学習の方法をご紹介します。この学習法は、すべての級で役に立ちますし、英検以外の試験対策にも活用できると思いますので、ぜひ参考にしてください。

私が使った教材4選

でる順パス単英検®1級

でる順パス単シリーズは、英検書売上No.1の旺文社が出版する単語帳です。英検の過去問を解いていても「パス単を見て問題を作っているのかな」と思ってしまうくらい、収録単語が充実しています。この一冊をきちんと覚えれば、語彙問題で8~9割を楽に得点でき、解答時間も大幅に削減できると思います。

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また、語彙問題だけでなく、長文読解やリスニングの対策にもなります。長文読解では、わからない単語が減り、理解度や解くスピードが大幅に向上するはずです。また、リスニングでも聞き取れない単語が減り、より正確に聞き取ることができるようになると思います。

でる順パス単は、2021年に改訂され、「5訂版」が最新のようですが、私が使ったのはひとつ前のバージョンのものです。5訂版が出たときに書店でパラパラと見ましたが、あまり買い替える必要性を感じなかったので、こちらは買いませんでした。5訂版を見た時の第一印象では、「簡単になっている」という感じがしました。しかし、不要な単語が淘汰され、本当に出やすいものに厳選されているとも解釈できるので、もちろん買い替えても良いと思います。

パス単の使い方については次章で詳しく説明します。

英検®1級過去6回全問題集

こちらも英検対策に定番の一冊です。英検の最新の傾向に合わせて、最新版を購入することをおすすめします。また、過去問は過去3回分英検の公式HPで閲覧できますが、解説がついていません。ですが、この書籍では解説だけでなく、長文の全訳、リスニングのスクリプトについても掲載してあるので、特に自己学習される方には購入をおすすめします。

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7日間完成英検®1級予想問題ドリル

模擬テストが5回分収録されている一冊です。過去問だけでは物足りない場合は、次にこちらに取り組むと良いと思います。英検対策書籍は多数出版されていますが、旺文社のものが一番本番に近い傾向で、信頼できる書籍だと思います。

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英検分野別ターゲット 英検®1級語彙・イディオム問題500

この書籍は、語彙問題に特化した問題集です。私は3周しました。こちらも改訂版が2023年8月に出ているようです。使い方は次章で説明します。

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↓こちらが改訂版です。

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2.教材の使い方

でる順パス単英検®1級

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パス単の目次は次のようになっています。

●単語編

でる度A…動詞233語→名詞239語→形容詞・副詞228語

でる度B…動詞219語→名詞258語→形容詞・副詞223語

でる度C…動詞219語→名詞242語→形容詞・副詞239語

●熟語編

熟語300語

私は、一日一項目のペースで学習しました。例えば、今日「でる度Aの動詞233語」を学習したら、翌日は「でる度Aの名詞239語」を学習するという具合です。熟語編については、熟語が苦手なこともあり、約100語ずつに分けて進めたので、単語帳を一周する(最初から最後まで学習する)のには12日かかることになります。

私は、単語学習で大切なのは「覚えたい単語に触れる機会を増やすこと」だと考えています。私が英会話を指導している生徒さんで「一日10単語やろうと思っています」という方がたまにいらっしゃいますが、それではなかなか単語が定着しないと思います。例えば、その方法で英検1級パス単を進めていくとしたら、全2400語÷一日10語=240日かかることになります。そんなに日にちが経ってしまうと二周目に入る頃にはほとんど忘れてしまっていると思います。つまり、「長期間かけて一周する」よりも、「短期間の間に何周もする」方が定着率はグッとあがります。これは、有名な忘却曲線で示されるように、科学的根拠もある効率的な学習方法だと思います。

さて、先ほど私は「一周するのには12日かかる」と言いましたが、この日数は覚えた単語が増えるにつれて短くなります。なぜなら、完全に覚えた単語は、次の周では飛ばすからです。例えば、でる度Aの動詞を200個、名詞を200語覚えた頃には、覚えられていない動詞33語と名詞39語を合わせて一日に学習してしまいます。最終的には、単語帳一周を一日で終わるペースになっていきます。

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それでは、実際に単語を覚えるためのプロセスをご説明します。

[一周目]

  1. 紙などで日本語訳の意味を隠して、単語の意味を言えるかチェックします。パス単では、日本語訳がオレンジ色で印刷されているため、赤シートを使いたくなりますが、私はおすすめしません。なぜなら、類義語や派生語は黒字で印刷されており、ヒントになってしまうからです。そのため、紙などで完全に訳の項目が見えないように隠してチェックしましょう。私は、折り紙が家にあり、半分に折るとちょうど良い大きさで透けなかったので愛用しています。
  2. 単語の意味がわからなかったり、曖昧であったりしたら、その英単語の横に印をつけていきます。印は自分でわかりやすいものが良いと思います。私は「正の字」を使っていて、一周目で答えられなかったら「正の字」の一画目、二周目でも答えられなかったら二画目というように印をつけます。画数が多ければ多いほど、その単語が苦手ということが周を重ねるごとにわかっていきます。「正の字」は五画で完成してしまいますが、五周もすれば、覚えてしまっていることの方が多いです。
  3. 一周目はこのような具合で、「覚える」というよりかは、「知らない・曖昧な単語をあぶりだす作業」というようなイメージです。二周目からは本格的に覚えていきますよ。

[二周目]

  1. 一周目と同じように紙で日本語訳を隠して意味を言えるか一語ずつチェックします。一周目は、ほぼ仕分け作業だったので覚えられた単語はほとんどないと思いますから、焦らなくて大丈夫です。そのため、覚えている単語が少なければ印(正の字)をつける必要もありません。
  2. わからない・曖昧な単語があったら、そこで一度止まり、日本語訳や類義語・反意語・派生語、例文を確認します。余裕があれば、辞書やネットで語源を調べます。語源は、必ずしもすべて把握したり理解したりする必要はありませんが、覚えるのに役立つこともあります。例えば、私は「abject」という単語がなかなか覚えられなかったのですが、「ab-(~から)」+「-ject(投げられた)」=投げ捨てられた→「絶望的な、悲惨な」と調べてわかってから、語源経由で意味を思い出せるようになりました。次は、語源を考えなくても一瞬で意味が出ることが目標です。
  3. さらに、日本語訳を見ても、その日本語がわからないということがあれば、必ず辞書を引きます。また、「この日本語訳、しっくりこないな」という場合は、自分が覚えやすい言葉に置き換えると良いと思います。例えば、「voluptuous」という単語は「肉感的な」と訳されていますが、あまり聞きなれない言葉だったので調べてみると「セクシーな」という意味だということがわかりました。そして、日本語訳の欄に自分で書き加えて覚えやすくしました。このように、単語帳の学習では、書いてある意味を一言一句そのまま覚える必要はありません。自分が覚えやすい言葉で覚えましょう。この「意味や例文を確認する」という作業は、一ページ分続けてやります。パス単では、一ページ分の単語すべてわからなくても10語ですね。
  4. 一ページ分の単語の意味などを確認できたら、もう一度ページの最初から、日本語訳の部分を紙で隠して、印をつけた単語の意味を言えるかチェックしていきます。復習するということです。不思議なことに、意外と覚えていないものです。この一ページ分の単語をすべて言えるようになったら、次のページへ行けます。※ここでは、意味を言えなかった単語に印をつける必要はありません。
  5. 「一日10ページやる」と決めている人であれば、一ページずつこのように進め、10ページ分終わったら、また一ページ目に戻ります。同じように紙で意味を隠し、意味を順番に言っていきます。残念なことに、言えない単語も結構あります。最初は苦しいですが、周を重ねるごとに言えるようになっていくので根気よく続けましょう。

[三周目]

  1. いつものように、日本語訳を紙で隠し、単語の意味が言えるかチェックします。言えない・言えるまでに時間がかかる単語にはチェックをつけていきましょう。二周目と同様に一ページずつ進め、「言えなかった単語の意味などを確認→一ページ分終わったら、再度日本語を隠して訳を言えるか確認→全部言えたら次のページへ」というように学習していきましょう。
  2. 四周目以降もこの繰り返しです。だんだん知らない単語が減っていくので、学習範囲の見直しもしていきましょう。私は、一日に印がついている単語を最低100個は学習するようにしていました。

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英検®1級過去6回全問題集と7日間完成英検®1級予想問題ドリル

単語学習は、単語帳だけでは完結しません。実際に文や会話の中で使われているのを見ることで、定着していくと思います。そのため、過去問などの問題集と並行して単語帳学習をしていくことをおすすめします。実際、「単語帳学習のときは意味が答えられなかったのに、長文読解で出てきたときは意味が分かる」ということもあります。これは、長文読解では文脈があるため、意味を思い出しやすくなっているからです。このおかげで、その単語を次に単語帳を見たときは一瞬で意味が出てきました。「単語が定着した」ということです。

これらの問題集の使い方は至ってシンプルです。

  1. 試験と同じように時間を計って解く
  2. 解答解説を見て復習する、わからない単語はチェックする

長文読解とリスニングの詳しい学習方法については、また別の記事に書こうと思っていますので、そちらをご覧くださいね。

復習するときに、英検一級ならではの難しい語彙がたくさんでてきます。すべて覚えるのが理想ですが、なかなか大変なので、覚える単語を厳選しても良いと思います。例えば、「パス単の索引を確認し、載っている単語は必ず覚える」というのは最低限必要になると思います。

また、特に語彙問題の解答解説では、単語の使い方や細かいニュアンスについて書いてくれていることもあります。パス単に載っている単語については、その解説をパス単の日本語訳の欄に書き足すことで、その解説を見る機会が増え、単語への理解が深まります。例えば、「pedantic」という単語は、パス単では「知識をひけらかすような」という訳が書いてあるのですが、問題集の解説では「ささいなことにこだわり過ぎる」という意味の方がよく出ると書いてあったので、その旨をパス単に追記しました。そのおかげで、「pedantic」という単語の意味は二つ言えるようになりました。問題集の解説を一度見ただけではすぐに忘れてしまうので、このように、繰り返し確認しておきたい情報は単語帳に書いておくと知識が定着しやすいと思います。

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英検分野別ターゲット 英検®1級語彙・イディオム問題500

こちらは問題集なので、語彙問題を順番に解いていきます。わからなかった問題や、二周目も確認しておきたい問題があれば、印をつけておきます。二周目以降は印がついた問題のみを解いていきます。余裕があれば、正解の単語だけでなく、不正解の選択肢の単語の意味も覚えられるといいですね。

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単語力がつくと全てが楽になる

英単語学習は、語彙問題だけでなく、読解問題やリスニング問題においても重要です。パス単を9割程覚えた頃には、過去問の語彙問題では毎回、正答率が最低8割以上取れるようになりました。また、読解問題やリスニング問題を解くのが少し楽になった感じがします。

単語を覚えるプロセスはしんどい部分があり、やめてしまう人も多いですが、根気よく続ければ必ず身に付きます。私は勉強が苦手で、学歴も平凡ですが、単語学習に継続的に取り組む努力をしたおかげで、英検一級一次試験を突破できたと思います。

この記事が誰かの役に立てば幸いです。

※このコンテンツは、公益財団法人 日本英語検定協会の承認や推奨、その他の検討を受けたものではありません。

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