You deserve itの意味は「当然だ」?覚え方とworthとの違いも解説【今日のフレーズ#38】

「You deserve it.」というフレーズを耳にしたとき、どんな意味だと思いますか?多くの人は「当然だ」と訳すかもしれません。確かにその通りなのですが、この一言だけではdeserveが持つニュアンスの奥深さを捉えきれません。
この記事では、このdeserveという単語の核となる意味を解き明かし、その一般的な使い方からスラング的な使い方まで解説します。そして、worthとの決定的な違い、そして覚え方まで、プロが徹底レクチャー。単に言葉の意味を知るだけでなく、ネイティブが持つ感覚を身につけ、deserveを使いこなせるようになりましょう!

■この記事を書いた人
純ジャパながら独学で英検®1級、TOEIC®925を取得。年間300人以上に指導している現役英会話講師です。字幕・吹替・広告翻訳家としての顔も持ち、現在は1児の母として子育てと両立しながらフランス語も話すマルチリンガルに。メディア会社での役職経験を活かした分かりやすい解説で、英語学習に役立つコンテンツをお届けしています。
deserveの意味は「当然」?
deserveは、単に「~に値する」というだけでなく、「その人の努力や行いに対して、当然の結果がもたらされる」という強いニュアンスを含んでいます。この「当然」という感覚は、deserveを理解する上で最も重要なポイントです。
deserveの意味①基本的な意味と例文
deserveの基本的な意味は、「~を受けるに値する、ふさわしい」です。これは、良いことにも悪いことにも使われます。
【例文1】 He deserves a promotion for all his hard work. 彼の多大な努力に対して、昇進は当然のことだ。 → 彼は一生懸命働いたので、昇進するのは当然のことだというニュアンス |
【例文2】 The criminal deserved his punishment. その犯罪者は罰を受けて当然だ。 → 犯罪者の行動に対し、罰という結果が当然の報いであるというニュアンス |
このように、deserveは何かを「得る」だけでなく、「受ける」という受動的なニュアンスを持つのが特徴です。その対象は、賞賛、報酬、罰、非難など多岐にわたります。
deserveの意味②deserve toの意味と例文
deserveは、後ろにto + 動詞の原形を続けることで、「~するに値する」という意味を表すことができます。
【例文1】 The team deserves to go to the finals. そのチームは決勝に進出するにふさわしい。 → チームの努力や実力が、決勝進出という結果に繋がるべきだというニュアンス |
【例文2】 You don’t deserve to be treated like this. あなたはこんな扱いを受けるべきではない。 → 不当な扱いに対し、あなたにはもっと良い扱いを受ける権利があるというニュアンス |
deserve to + be + 過去分詞の形は、受動態としてよく使われます。これは「~されるに値する」という意味で、特に不当な扱いについて言及する際によく見られます。
deserveの意味③「You deserve it.」の意味と例文
「You deserve it.」は、deserveの表現の中でも特に頻繁に使われるフレーズです。直訳すると「あなたはそれに値する」ですが、文脈によってその意味は大きく変わります。
ポジティブな文脈での「You deserve it.」
相手の努力や頑張りを称え、その結果として得た成功や幸運が当然の報いであることを伝える、温かい表現です。
【例文1】 A:I finally got the promotion I’ve been working so hard for! ずっと頑張ってきた昇進を、ついに勝ち取ったよ! B:That’s great! You totally deserve it! すごい!君は本当にそれにふさわしいよ! → 相手の努力を認め、その成功が当然の結果であるというニュアンス |
ネガティブな文脈での「You deserve it.」
「You deserve it.」には、相手の自業自得な状況を指摘する、非常に厳しい、時には冷たい響きを持つこともあります。こちらの表現はスラング的な使い方で、皮肉ぽく言いたい時によく使われます。
【例文2】 A:I failed the test because I didn’t study at all. 全然勉強しなかったから、テストに落ちちゃった。 B:Well, you deserve it. まあ、当然だね。 → 相手の怠慢な行動が、失敗という結果を招いたというニュアンス |
このように、「You deserve it.」は、相手への共感や称賛から、厳しい非難まで、文脈によって180度意味が変わるため、使い方には注意が必要です。
worthとの違い
deserveと似た意味を持つ単語にworthがあります。どちらも「~に値する」と訳されますが、その使い方は全く異なります。
deserveは動詞で、「その人の行為や努力に対する結果」に焦点を当てています。前提として「行動」などがあり、その「結果」何かが起こったという因果関係を含む表現です。
一方で、worthは形容詞で、「ものの価値」に焦点を当てています。対象となるものの本質的な価値や、それに見合った費用・努力について述べる際に使われます。
deserve | worth |
---|---|
行動と結果の因果関係に焦点がある | ものの価値や労力との釣り合いに焦点がある |
動詞として使う | 形容詞として使う |
【例文】This book deserves to be a bestseller. この本はベストセラーになるに値する。 → 本の作者の努力や内容が優れており、ベストセラーという成功が当然の結果だというニュアンス | 【例文】This book is worth reading.この本は読む価値がある。 → 本を「読む」という労力や時間に対して、その本の内容が十分に価値があるというニュアンス |
このように、deserveは人の行為や努力に対する報いを、worthはものの価値や労力との釣り合いを表すという違いをしっかり理解しておきましょう。
deserveの覚え方
deserveの語源を知ることで、単語の意味をより深く覚えることができます。よく理解して覚えることで、記憶を定着することにもつながります。
まず、deserveは、ラテン語のdeservireが起源とされています。これはde-(完全に、徹底的に)とservire(仕える、奉仕する)が組み合わさった言葉です。
次に、servireは、英語のservice(サービス、奉仕)やservant(召使い)の語源でもあります。
この語源からdeserveのイメージを掴むと、「徹底的に仕える(奉仕する)ことによって、それに見合った報いを受ける」という感覚が浮かんできます。つまり、「行動(奉仕)によって、当然の結果がもたらされる」という、deserveの核となる意味とぴったり一致します。

このイメージを持つことで、deserveが持つ「当然」というニュアンスをしっかりと定着させましょう!
deserveの意味を理解して使いこなそう
deserveは、単なる「~に値する」というだけでなく、人の行動と結果の因果関係、そして「当然」というニュアンスを持つ非常に奥深い単語です。
この記事で解説したポイントを改めて確認しておきましょう。
【まとめ】 ・deserveの核となる意味は「(当然)~を受けるに値する、ふさわしい」。 ・「You deserve it.」は、ポジティブにもネガティブにも使われる。 ・worthは「ものの価値」に焦点を当て、deserveは「人の行動に対する結果」に焦点を当てる。 ・deserveの語源は「徹底的に奉仕する」。このイメージから「当然」というニュアンスを含む。 |
単語を一つ覚えるとき、その言葉が持つ背景や感覚まで理解することで、英会話の幅は格段に広がります。deserveを使いこなせるようになれば、あなたの英語表現はさらに豊かになり、コミュニケーションもよりスムーズになるでしょう。さあ、今日から自信を持ってdeserveを使いこなしていきましょう!