英検®に受かる人の勉強法【英会話講師が伝授】

英検®は民間試験でありながら、日本で最も威厳のある英語力テストのひとつ。その内容は年々難しくなっており、今までの勉強法では歯が立たないということも。そこで今回は、私の英会話講師としての経験から、「英検®に合格する人」がどのように勉強しているかをご紹介していきます。

英検®に受かる人の特長3つ

レッスンを受講しに来た中で英検®に受かる人には特長があります。今回は厳選した3つの特長をご紹介します。

自己学習ができる

これは当たり前のように思うかもしれませんが、実は最も大切なことだと思います。

英検®に受かる人は、英会話やスクールに通うだけでは十分でないことに気がついていて、「自分で学習できるところ」は自己学習、「他の人に見てもらわないとできないところ」は英会話やスクールに頼ると具合に使い分けをしています。そうすることで時間的にも効率が良いので短期で合格することができるのです。

英検®の場合は、単語学習・長文読解・リスニングは「自分で学習できるところ」、ライティング・スピーキング(面接)は「他の人に見てもらった方が良いところ」です。さらに、ライティングについてはレッスン内で解くということはせず、添削と解説のみを先生にお願いすると効率が良いです。スピーキング(面接)なら模擬面接とフィードバックのみを繰り返し行うというような使い方が効率が良いですね。

しかし、このような使い方は、ある程度受験する級と自分のレベルが合っている場合にのみ効果的だと思いますので、苦手分野についてはじっくり指導してもらうか、自己学習に力をいれると良いですね。

☞POINT<英検®の効率的な勉強法>

★自分で学習できるところ(単語学習・長文読解・リスニング)
→自己学習に力を入れる

★他の人に見てもらった方が良いところ(ライティング・スピーキング(面接))
→英会話やスクールを活用
Lライティング…添削と解説のみ
Lスピーキング(面接)…模擬面接のみ、アウトプットとフィードバックの繰り返し

自分で考える力がある

英検®の勉強で受験生が最も心配しているのがライティングとスピーキング(面接)だと思います。なぜなら1問に対する配点も大きいうえ、採点が難しいからです。そのため上記でも述べたように、ライティング・スピーキングは「他の人に見てもらった方が良いところ」なのです。

鬼門とも言えるその2つの分野でも「得意な人」とそうでない人がいて、やはり共通点があります。それは「自分で考える力がある」ということです。これらの分野では、自分の考えを解く問題が含まれているため、英語力に加えて思考力も必要になります。つまり、自分の経験や持っている知識をもとに考える力があるかを問われているということです。そのため、これまで英単語や文法を詰め込むだけの勉強をしてきた人には難しく感じてしまいます。

思考力があれば、ライティングやスピーキングの「~すべきか」系の問いで理由のアイデア出しに困ることがほとんどありません。それが苦手な人は、まず「ありきたりな考え方・答えを知る」というところから始めると良いでしょう。詳しくは後述しますね。

☞POINT<英検®合格に必要な力>

★英語力…詰め込みでもある程度伸びる。

★思考力…ライティング・スピーキングで必要。詰め込み式の勉強法では伸びない。

先生のアドバイスを受け入れる

英検®に合格する受講生は、宿題をきちんとやってくるし、アドバイス通りの勉強をしていることが多いです。

残念ながら、そうでない人は勉強においてどこに力を入れるべきか、レッスンのポイントが何なのか理解できず(理解しようともしない)、レッスンの時間を無駄にしてしまうことがほとんどです。例えば「ライティングの勉強をしたい」と受講にきて、「まずは単語数は気にせず、自分の考えを英語にしてみましょう」とレッスンを進めているにもかかわらず、「えっと、今の単語数はOOだから…」と今は大事ではないところに注力してしまっているなどといったことがあります。特に数多くレッスンをこなしている先生は「勝ちパターン」を知っていると思うので、素直にアドバイスを聞き実行することが大切です。

また、こちらも多い残念な例なのですが、「プライドが先行して適切な受験級の選定ができていない」という人も散見されます。例えば「英検®2級にギリギリで受かった。次は準1級を受けたい。」という人は準1級の受験はおすすめできません。なぜなら、2級にギリギリで受かるレベルということは、英語の基礎が不十分であることがほとんどだからです。そのため、長い目で見て英語力をもっと向上させたいなら、ギリギリでも合格したからといって次の級に進むことはせず、受験級で8~9割の得点で合格できてから次に進む方が後々良いでしょう。

☞POINT<英検®対策のレッスンを受けるなら>

★勝ちパターンを知っている先生のアドバイスを素直に聞き、自分の学習に活かしましょう。

★自分の受験級は適しているか確認。先生に受験級を選んでもらっても良いでしょう。

英検®に受かる人の勉強法

英検®に合格する人の勉強法から見える共通点を分野別にご紹介します。

単語学習

単語学習は全ての分野における基盤になります。単語が分からないと読めない・聞こえない・書けない・話せないといったことになってしまいます。また、単語学習は語彙問題対策のためだけではありません。長文読解やリスニングにも受験級のレベルの単語がたくさん使われています。つまり、単語をより多く知っていることで長文読解やリスニングを解くことが楽になってくるのです。

そんな全ての分野で要となる単語ですので、正しく勉強をしたいですよね。よくある悪い例は「1日に10個やろう」などといったスローペースでの勉強です。5級や4級など単語量が比較的少ない級ではそれでも通用するかもしれませんが、級が上がってくるにつれて覚えなければならない単語も増えていくので、1日10個では少ないです。例えば、ある英検®2級の単語帳には会話表現など含めて1700語収録されています。これを1日に10個こなしていくと終わるのは114日後です。あなたは114日後、最初の方に学習した単語を覚えていることは可能でしょうか?ほとんど人は難しいのではないかと思います。

では、どのようにしたら良いのか。単純に1日に学習する単語を増やすしかありません。最低1日50個が目安だと思います。先ほどの単語帳は50個やっても34日かかりますので、50個が最低ラインだと思います。しかし、1回で50個を完璧に覚えないといけないというわけではありません。ここで大事なのは「見たことのない単語を減らすこと」と「単語帳1冊を終わらせるスピードを上げて何周もする」ということです。1度見た単語と初見の単語では、意味を知っている可能性が全然違います。また、単語を短期間に何回も見ることでその単語が頭の中に定着していきます。このように、英検®に受かる人はとにかく単語学習に力を入れていることがほとんどです。

長文読解・リスニング

長文読解とリスニングの勉強法は似ていますので、まとめて説明します。

まずは、もちろん普通に問題を解きます。ここで大事なのは、時間を計ること(リスニング以外)です。時間を計る習慣をつけることで、「いつもより良いペースで解けているな。」とか、逆に「今、時間かかっているな。→ここは飛ばして次へ行こう。」といった感覚が身につき戦略的に問題を解くことができるようになっていきます。解き終えたら答え合わせをして解答解説をしっかり読みましょう。

その後の復習が大切です。英検®に受かる人はここに力を入れています。まず、長文読解なら問題文、リスニングなら原稿を最初から読んでいきます。この時、英語のままで理解できることが理想ですが、難しい場合がほとんどなので「なんとなくの日本語にしながら読んでいく」ことがおすすめです。わざわざノートに書いたりきれいな日本語にする必要は全くありません。例えば、I have a pen.だったら「私、持ってる、ペン」などおおよその意味が分かれば大丈夫です。そして、つまづいたところが、あなたが理解できていないところになります。単語を知らない、文法を理解できていないということがほとんどです。単語は調べるようにして、文法は参考書やネットを活用して確認しましょう。

もし、分からない単語が多すぎるという場合は、受験級の単語帳に収録されているものを優先的に覚えると効率が良いです。マイナーな地名や固有名詞は覚える必要はほとんどありません。しかし、あまりにも分からない単語が多い場合、受験級が今のご自身のレベルに合っていない可能性もありますので、再度受験級の検討をすることをおすすめします。

復習が終わったら、もう一度最初から読んでみましょう。前よりも理解できているはずです。そして、もうひとつの大切な勉強のポイント「選択肢の根拠を探す」段階に入ります。全ての設問で、必ず本文中に選択肢から答えを選ぶための根拠があります。それを見つける練習をしていきましょう。選択肢の根拠は問題集の解答解説に載っているはずですので、分からない場合はそちらをしっかり読みましょう。

ここまでできたらリスニングは最後の仕上げです。音声を1.5倍速で聞いてみましょう。早く聞くことに慣れると本番のスピードが遅く感じ、心に余裕を持つことができるのでおすすめです。

そして復習して終わりではなく、もう一度問題に挑戦してみましょう。取り組む時期は1~2週間後。再度間違えたところは忘れているか理解できていないところなので、重点的に復習しましょう。

長文読解・リスニングの勉強の流れ
1. 普通に解く※長文読解は時間を計る
2. 答え合わせ&解答解説を読む
3. 復習
・なんとなくの日本語にしながら読み通し(文の意味を理解)
・分からない単語・表現・文法すべてチェック
→単語は単語帳に載っているものを優先的に覚える
・復習が終わったらもう一度始めから読む
・リスニングは1.5倍速で聞く
4. 選択肢の根拠を探す
5. 1~2週間後に再度解く

ライティング

ライティングは2024年にリニューアルされ、メールの返事を書いたり要約したりといった問題が追加されました。ここでは大まかな勉強法をご紹介します。

ライティングでは、どの形式の問題にも必ず解答パターンがあります。まずは、そのパターンを覚えましょう。特に英作文では文章構成が決まっているためしっかりおさえておきましょう。

メールの返事 解答パターン
1. 話のさわり、文全体に関わること
2. 2つの質問
3. 問いに対する質問

メールには2.と3.さえしっかり書かれていれば1.文全体に関わることは最後に持ってきてもOKです。結びの言葉など入れても良いでしょう。

要約 解答パターン
1. 問題文の第一段落で羅列されているものの内、2~3段落目で取り上げられている話題にのみ触れる
2. 2つの良い点
3. 2つの悪い点

要約の問題では単語数を短くすることにも注意が必要です。ただし、英作文であるためdon’tではなくdo notといった省略形を使うことはおすすめしません。そのため他の表現の部分で短くする努力をしましょう。例えば、a lot ofはmanyに置き換えが可能です。

英作文 解答パターン
1. 序論(賛成・反対を明確にする)
2. 本論(理由※理由の数=段落は級による)
3. 結論(序論の繰り返し・リフレーズ)

一番の難関である英作文。ここで大切なのは理由を考え出すことですが苦手な人も多いでしょう。その場合は、まず「ありきたりな理由・考え方を知る」と良いです。解答例やネットでの検索結果を参考によくある答えを見つけてみてください。そして真似できそうなものを取り入れて自分のものにしておきましょう。英検®は英語力を試す試験です。そのため答えのオリジナリティは全く求められていません。ありきたりなもので十分です。それに、ありきたりなものの方が参考書やネットで英語の例文を見つけやすいので、それをそのまま覚えてしまえば良いのです。

スピーキング

スピーキングもライティングとほとんど同じです。理由を出すのに苦労する人が多いですが、まずは「ありきたりな理由・考え方」を知り、そこから自分の言葉で言えるように練習していきましょう。

そして模擬面接を何回もすると良いです。英検®に受かる人は何回も練習しに来てくれます。また、いろいろなタイプの面接官がいることを想定して、いろいろな英会話講師・サービスで練習するのも良いかもしれませんね。

英検®は正しく勉強すれば難しくない

私は英検®は勉強すれば必ず結果が出る試験だと信じています。ぜひ成功者の例を参考に合格を目指してください。

※このコンテンツは、公益財団法人 日本英語検定協会の承認や推奨、その他の検討を受けたものではありません。

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