「割り勘」は英語で?オランダが関係あり?英検®1級講師が解説【今日のフレーズ#15】

友人や同僚と食事に行った際、「割り勘にしよう!」と誘うとき、英語ではどう表現すればいいのでしょうか。日本語の「割り勘」は便利な言葉ですが、英語には直訳できる単語がありません。今日の記事では、状況やニュアンスに応じて使い分けられる英語フレーズを、英検®1級を持つ講師の視点から3つご紹介します。

■この記事を書いた人
純ジャパながら独学で英検®1級、TOEIC®925を取得。年間300人以上に指導している現役英会話講師です。字幕・吹替・広告翻訳家としての顔も持ち、現在は1児の母として子育てと両立しながらフランス語も話すマルチリンガルに。メディア会社での役職経験を活かした分かりやすい解説で、英語学習に役立つコンテンツをお届けしています。
「割り勘」を表す英語表現
「割り勘」を表す英語表現を3つ見ていきましょう。
「割り勘」を表す英語① split the bill
split the billは、「割り勘にする」を意味する最も一般的で、丁寧な表現です。splitは「分ける」、billは「お勘定」という意味で、文字通り「お勘定を分ける」というニュアンスになります。友人やビジネスランチなど、幅広い場面で使えるため、覚えておくと非常に便利です。
| 【例文1】 Let’s split the bill for lunch today. 今日のランチは割り勘にしよう。 |
| 【例文2】 The couple decided to split the bill. そのカップルは割り勘にすることにした。 |
「割り勘」を表す英語② go Dutch.
go Dutchは、「割り勘にする」という意味のイディオムで、友人同士で使われることが多いです。Dutchはオランダのことで、17世紀の英蘭戦争時代に、貿易上のライバルであったオランダ人に対して、「ケチ」であるという皮肉を込めて、割り勘の習慣を揶揄したことに由来します。しかし現代においては、オランダに対する皮肉の意味はなく使われています。
| 【例文1】 I’ll pay for the movie tickets, but let’s go Dutch on dinner. 映画のチケットは私が払うけど、夕食は割り勘にしよう。 |
| 【例文2】 It’s always easier to go Dutch when we have a big group. 大人数の時はいつも割り勘にするのが一番簡単だ。 |
「割り勘」を表す英語③ fifty-fifty
直訳すると「50対50」となり、勘定をきっちり半分ずつ負担することを意味します。split the billよりも、より厳密に均等に分けるニュアンスが強く、きっちり折半すしたい場合に使われることがあります。
| 【例文1】 Let’s make it fifty-fifty. 折半しよう。 |
| 【例文2】 The cost of the trip was a little expensive, so we agreed to make it fifty-fifty. 旅行の費用が少し高かったので、きっちり半分ずつ払うことにした。 |
「割り勘」を表す英語表現はさまざま
今回は「割り勘」を表現する英語フレーズを3つご紹介しました。split the billは最も一般的で丁寧な表現で、Go Dutch.は友人との間で使えるカジュアルなイディオム、It’s fifty-fifty.はきっちり半分ずつ分ける場合に、というように、それぞれニュアンスが異なります。これらのフレーズを使い分けて「割り勘」しようと伝えてみましょう。


