英検®1級リーディング長文読解対策の方法とおすすめ問題集【英検®1級プロ講師が解説】

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「英検®1級の長文は難しすぎて時間内に終わらない…」と諦めていませんか?確かに難解ですが、正しく対策すれば攻略できるはずです。この記事では、長文読解で高得点を取るための具体的な対策方法と問題集をプロ講師が徹底解説します。

■この記事を書いた人
純ジャパながら独学で英検®1級、TOEIC®925を取得。年間300人以上に指導している現役英会話講師です。字幕・吹替・広告翻訳家としての顔も持ち、現在は1児の母として子育てと両立しながらフランス語も話すマルチリンガルに。メディア会社での役職経験を活かした分かりやすい解説で、英語学習に役立つコンテンツをお届けしています。
英検®1級リーディングの長文読解問題とは?
まずは、英検®1級の長文読解問題では、どのような問題が出題されるのか知っておきましょう。
英検®1級の試験形式
英検®1級の試験全体から、長文読解の位置づけを確認しましょう。
| 技能 | 形式 | CSEスコア |
|---|---|---|
| リーディング | ●短文の語句空所補充(22問) ●長文の語句空所補充(6問) ●長文の内容一致選択(7問) | 850 |
| ライティング | ●英文要約 ●英作文(1問) | 850 |
| リスニング | ●会話の内容一致選択(10問) ●文の内容一致選択(10問) ●Real-Life形式の内容一致選択(5問) ●インタビューの内容一致選択(2問) | 850 |
| スピーキング | ●自由会話 ●スピーチ(1問) ●Q&A | 850 |
リーディングセクションの構成と配点
リーディングセクションは合計35問で構成され、試験時間はリーディングとライティングを合わせて100分です。長文読解は、リーディングの大問2と3で出題されます。
大問2「長文の語句空所補充」の問題形式
| 長文の数 | 2つのパッセージ |
| 問題数 | 6問(1つのパッセージに対して3問ずつ) |
| 語数 | 約350~400語/パッセージ |
| 形式 | パッセージの空所に文脈に合う適切な語句を補う |
大問3「長文の内容一致選択」の問題形式
| 長文の数 | 2つのパッセージ |
| 問題数 | 7問(3問と4問) |
| 語数 | 約500語と約800語 |
| 形式 | パッセージの内容に関する質問に答える |
英検®1級長文読解が「難しい」と言われる理由
英検®1級の長文読解が難しいと言われるのは、主に3つの理由があります。
- 内容が難しい
科学、歴史、哲学、経済、環境問題など、アカデミックなテーマの長文が出題されるため、精通していない文やに関する文章は難しいと感じる。 - 語彙が難しい
英検®1級レベルの語彙はかなりレベルが高く、知らない単語が多数出てくることで難しいと感じる。 - 文法が難しい
他の受験級に比べて一文が長いだけでなく、複雑な文構造も多く含まれているため読み解けず難しいと感じる。
このような理由から、英検®1級長文読解は「難しい」と言われいます。これだけ難しいと、「どう勉強すればいいかわからない」「自分には無理かも」と感じるかもしれません。しかし、正しい対策をすれば、正答率は上がっていきます。
英検®1級リーディング長文読解の解き方
難しさを理解した上で、ここからは正答率を上げるための具体的な対策を、大問ごとに解説します。まずは、基本となる問題への取り組み方を確認しましょう。
【大問2】長文の空所補充
大問2では、文章全体の流れや段落の役割を理解しているかどうかが問われます。問題を解くときのポイントを押さえておきましょう。
- タイトルから内容を予測する
英検®1級の長文読解では、あっと驚くような大どんでん返しがあるストーリーは見かけません。タイトルから察することができる内容が書かれているため、まずはタイトルを確認しましょう。 - 空所の前後で論理の流れをつかむ
空所の直前・直後にあるディスコースマーカーに注目します。「逆接(However)」「追加(Moreover)」「結果(Therefore)」といった論理の繋がりをつかむことで、空所に入る内容を予測するヒントになります。 - 選択肢から仲間外れを探す
全ての問題で当てはまるわけではありませんが、例えば、4つの選択肢の内、3つはネガティブな単語で1つはポジティブな単語であれば、その1つが正解である可能性が高いです。
【大問3】長文の内容一致
大問3では、文章の内容を理解しているかが問われます。問題を解くときのポイントを押さえておきましょう。
- 選択肢を選ぶ根拠を見つける
選択肢を選ぶための文が必ず文中になります。常にその部分を見つけることを心がけましょう。 - 段落単位で読む
多くの場合、1問目は1段落目に、2問目は2段落目に選択肢を決める根拠となる文があります。そのため、1段落目を読んだら1問目を解く、というようにすれば記憶が新しいうちに設問に取り掛かることができタイムロスを防げます。 - 自分の考えは問われていない
英検®の読解問題は、「文章に何が書いてあるか」のみ問われています。自分の考えは聞かれていないので、客観的に読み進めることを心がけましょう。 - ミスリードしている部分を見つける
正解でない選択肢は、ミスリードしようとしていると考え、その部分を見極めましょう。例えば、本文の内容以上のことや、矛盾していること、そもそも書かれていないことなどがミスリードとしてが書かれていることが多いです。
【徹底対策】英検®1級に合格する長文読解力の身につけ方
英検®1級の長文読解では、単なる「解き方のテクニック」ではなく、語彙力や文法知識といった土台がなければ高得点を取ることはできません。特に3つの基礎力を徹底的に強化することが、合格への最短ルートです。
長文読解の土台となる語彙力強化
よく長文読解対策では、「分からない単語は予測しましょう」と言われますが、それにも限界があります。英検®1級レベルの語彙をしっかりと身につけて語彙力の強化していくことが重要です。
ここでは、私が英検®1級に合格した時に使った2つの対策本を紹介します。これらを使って1か月で2000語覚えることができました。
英検1級 でる順パス単
この単語帳に載っている単語を9割覚えると目標を立て、毎日100~200語ずつ進めて何周もしました。
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英検分野別ターゲット英検1級単語・熟語問題
問題文の中で単語を見て意味を思い出すことで、単語の意味が頭の中に定着していく感じがありました。この問題集も数周しました。
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\1ヶ月で2000語覚えた方法はこちらで紹介しています/
| 【こちらの記事も読まれています】 💮英検®1級 単語の勉強法【1ヶ月で2000語暗記】| 独学で合格 |
複雑な構文を読み解くための文法・構文知識強化
理解が難しいと感じる文は、じっくりと読み解く必要があります。その際のコツは5ステップです。
- まずは単語単位で理解
意味を知らない単語があれば調べます。文中の単語の意味全てを単体で把握します。 - 接続詞・接続副詞を見つけて文の数を把握
長い文の場合は、一つずつの文に分けて読み解きましょう。そのために、文の分かれ目となる接続詞(または接続副詞)を見つけて印をつけます。 - 主語・動詞・目的語…のように分解
S・V・O・C・Mを使って文構造を明確にしていきます。どこまでが主語で、どこが動詞かなど把握していきましょう。 - 分けたフレーズごとに読み解く
動詞は受動態か現在完了か、関係代名詞や分詞構文、倒置などの構文があるか細かく見ていきます。 - 文の最初から最後までつなげて理解する
各部分の意味を理解できたら、1つの文として理解していきましょう。
このように、文を細分化して一つずつ丁寧に理解していく読み方を「精読」と言います。この精読を繰り返すことによって、文章をより正確に読み解く力を身につけることができます。
また、英語の文に慣れていくことで読むスピードが上がり「速読力」も上げていくことができます。
選択肢の根拠を本文中から見つける練習
英検®の長文読解では、本文中に選択肢を選ぶ決め手となる根拠があります。その部分を見つける練習をし、問題集の解答解説で当たっているか確認しましょう。
英検®1級リーディング長文読解対策におすすめの問題集
長文読解に特化して演習を積みたい方へ、プロ講師として自信を持っておすすめできる問題集がこちらです。このシリーズの本は、実際に私が英検®1級に合格した時にも使いました。
「英検分野別ターゲット英検1級リーディング問題 改訂版(音声DL付)」
長文読解に特化しており、大問2と大問3の練習問題や模擬テストの長文が合わせて41個収録されています。
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長文読解対策に最大限生かす使い方
問題集を購入したら隅から隅まで最大限活用しましょう。
- 時間を測って解く
解答時間の目安が書いてあるため、時間を測って取り組みましょう。 - 精読する
分からない部分がなくなるまで、隅々まで理解していきましょう。 - 音読する・音声を聞く
音読することで、自分が文構造を理解しているかチェックすることができます。言いよどむ部分は理解が甘い可能性があるため、一度立ち止まって文を理解していきましょう。音声が付属されているため、お手本を聞くのも効果的です。
英検®1級リーディング長文読解対策でよくある質問
英検®1級リーディング長文読解対策でよくある質問にプロ講師が答えます!
Q. 時間が足りず、最後まで読めません。
英検®1級のリーディングで最も多い悩みが時間不足です。根本的な解決策は、日々の学習で精読を繰り返して難しい英文に慣れていくことで、読むスピードも上げていくことだと思います。
もう1つできることは、ライティングを先に解くことです。多くの人はリーディングから解き始めますが、ライティングに時間を残せるか不安になり、リーディングで焦ってしまい内容が入ってこないということがあります。ライティングは1問あたりの配点が高いだけでなく、空白にすることで0点になってしまいます。一方でリーディングは、最悪の場合、残った問題を勘でマークしても失点を最小限に抑えられます。そのため、先にライティングを終わらせることで、残りの時間をすべてリーディングに注ぎ込めるため、精神的な焦りが解消され、結果的にパフォーマンスも安定すると思います。
Q. 問題文を先に読むべきですか?
長文読解対策として、「まず問題文を読んでキーワードを探せ」というテクニックが紹介されることがありますが、英検®1級においては、先にすべての問題文を読むことはあまり意味がないと思います。内容をざっくりとしか理解していない段階で設問を読んでも、キーワードが頭に残りにくく、時間のロスに繋がるためです。
それよりも、段落単位で読み進めることをおすすめします。英検®1級の長文では多くの場合、設問の順番と、本文中に根拠が登場する段落の順番が対応しています。例えば、1段落目を読み終えたら1問目を解き、次に2段落目を読んだら2問目を解くというように進めることで、根拠がどこにあるかを迷わず、効率的に解き進めることが可能になります。
Q. 読んでも内容が頭に入ってきません。
「単語はわかるのに、文章になると意味が理解できない」という現象は、ハイレベルな1級に取り組んでいるからこそ生まれる悩みで、そのお気持ちはよくわかります。
読んでも内容が頭に入ってこない原因は2つ考えられます。一つは、そもそも語彙力や文法力が足りていないために、正確な意味を理解できていない状態です。この場合は、精読に戻り、時間をかけて文を理解する訓練が必要です。
それらができていても理解が進まない場合は、それが内容が抽象的だったり専門的であるために、文字情報としてしか処理できていない状態です。解決策として、文に書いてあることを、頭の中で映像化していくのはいかがでしょうか。文字だけで理解しようとするのではなく、頭の中でドラマを作っていくイメージで映像化することによって、内容が専門的でも言わんとしていることが分かってくると思います。
【まとめ】英検®1級合格に向けて
ここまで、英検®1級の長文読解対策を最後までお読みいただき、ありがとうございます。1級の長文は難しく、壁が高いと感じたかもしれません。しかし、この記事で詳しくお伝えした通り、土台となる語彙力と、大問ごとの解き方のコツが身につけば、合格の可能性は大きく高まります。
大切なのは、「読めなかった」とそこで終わりにするのではなく、読めなかった一文を丁寧に精読し、なぜそれが正解なのかの根拠を一つひとつ確認する地道な姿勢です。また、時間配分で不安を感じる方は、ライティングを先に済ませるなどの工夫も有効です。
今日学んだ具体的な対策法を、さっそく今日からの学習に取り入れてください。あなたの合格に向けての挑戦を心から応援しています。
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