動物を使った英語イディオム【英検®1級英会話講師が解説】

イディオムは、ネイティブスピーカーが日常会話で頻繁に使う表現です。より自然で流暢な英語を話せるようになるには、継続的な学習が不可欠。

今回はいろいろな動物を使ったイディオムを4つご紹介していきます。

この記事を書いた人

・独学で英検®1級合格、TOEIC®925

・現役英会話講師として年間300人以上に指導

・翻訳家としても活動

・1児の母

・日本生まれ日本育ちの純ジャパ

be flogging a dead horse

無駄な努力をする」「すでに終わったことに固執する」という意味があるイディオムです。 “flog”とは「鞭(むち)を打つ」という意味の動詞です。 “frog”(カエル)ではないので、注意しましょう。

実際に例文をいくつか見てみましょう。

【例文1】
A: She keeps trying to get back together with him, but it’s a dead end.
B: Yeah. She’s flogging a dead horse.
A: 彼女は彼とよりを戻そうとしているけど、もう無理だよ。
B: ああ、無駄な努力をしているよね。
【例文2】
We’ve already discussed this issue enough. There’s no point in flogging a dead horse.
この問題についてはもう十分に議論した。無駄な議論を続けるのはやめよう。

until the cows come home

とても長い時間」という意味のイディオムです。牛が家に帰るまでの時間が非常に長いことが由来となっています。実際に例文をいくつか見てみましょう。

【例文1】
She can talk about her cats until the cows come home.
彼女はネコのことならいつまでも話せる。
【例文2】
They’ve been friends since they were kids. Their friendship will last until the cows come home.
彼らは子どもの頃から友達だ。彼らの友情は永遠に続くだろう。

sort the sheep from the goats

(大勢の中から)良い人材を選び出す」「(たくさんのものの中から)適切なものを選ぶ」といった意味があります。実際に例文をいくつか見てみましょう。

【例文1】
During the interview process, we need to sort the sheep from the goats to find the most suitable candidates.
面接を通して、仕事に最も適した候補者を見つけるために、良い候補者とそうでない候補者を区別する必要があります。
【例文2】
It’s important to sort the sheep from the goats when investing in stocks.
株式投資をする際には、有望な銘柄とそうでない銘柄を区別することが重要です。

the elephant in the room

誰しもが認識しているにも関わらず、あえて話題にせずに避けている大きな問題や不都合な事実を指します。直訳すると「部屋の中の象」ですが、部屋の中に大きな象がいるのに、誰もその存在に触れないという状況を想像してみると、このイディオムの意味を理解しやすいでしょう。実際に例文を見てみましょう。

【例文1】
His divorce was the elephant in the room at the party.
パーティでは彼の離婚は触れてはいけない話題だった。
【例文2】
The fact that our boss is retiring next month is the elephant in the room at work.
上司が来月退職するという事実は、職場での誰もが避けている話題だ。

shed crocodile tears

偽りの涙を流す」「見せかけの悲しみを表す」という意味のイディオムです。実際に例文を見てみましょう。

【例文1】
The politician shed crocodile tears over the plight of the poor, but he has never done anything to help them.
その政治家は貧困者の窮状について偽りの涙を流したが、彼らを助けるために何もしたことがない。
【例文2】
She shed crocodile tears when she broke up, but I knew she didn’t really care.
彼女が恋人と別れたとき偽りの涙を流したが、私は彼女が大して気にしていないことを知っていた。

sick as a parrot

“parrot”は「オウム」のことで、このイディオムには「とても具合が悪い」「非常に気分が悪い」という意味があります。実際に例文を見てみましょう。

【例文1】
I feel sick as a parrot today.
今日はすごく具合が悪い
【例文2】
She was sick as a parrot after the long flight.
長いフライトの後、彼女はすごく具合が悪かった。

a leopard can’t change its spots

直訳すると「ヒョウは斑点を変えることはできない」という意味のイディオムです。転じて「生まれつきの性格は変わらない」「本質は変わらない」といった意味合いで使われています。実際に例文を見てみましょう。

【例文1】
He’s always been a liar. A leopard can’t change its spots.
彼はいつも嘘をつく。生まれつき嘘つきなんだ。
【例文2】
She’s tried to be more outgoing, but a leopard can’t change its spots.
彼女はもっと外向的になろうとしているけど、本質は変わらないだろう。

cried wolf

嘘をつく」「大げさに言う」「信頼を失う」という意味があります。特に、同じ状況で何度も同じことを言ったり嘘をついたりした結果、誰も真に受けなくなったり信じてくれなくなったりする状況を指します。実際に例文を見てみましょう。

【例文1】
Every time John misses a deadline, he cries wolf about his computer crashing.
ジョンは締め切りを逃すたびに、コンピュータがクラッシュしたと嘘をつく。
【例文2】
She’s always crying wolf about her boyfriend cheating on her, but it’s never true.
彼女はいつも彼氏が浮気していると騒ぐけど、いつも嘘だ。

a wolf in sheep’s clothing

「羊の皮をかぶった狼」と直訳できるこのイディオムは、「一見善良で無害そうに見えて、実は悪意を持っている人」という意味があります。実際に例文を見てみましょう。

【例文1】
He always has a kind smile, but he might be a wolf in sheep’s clothing.
彼はいつも優しい笑顔を見せるけど、善人ぶった悪人かもしれない。
【例文2】
That new employee seems very diligent, but apparently, he talks bad about others behind their backs. He’s a wolf in sheep’s clothing.
あの新入社員は、一見真面目そうだけど、実は裏で悪口を言っているらしい。羊の皮をかぶった狼だ。

少しずつイディオムを覚えていこう

英語のイディオムは豊富にあり、数回の勉強で全て覚えることは難しいです。定期的に少しずつ覚えたり、テーマ別に学習したり、工夫して習得していきましょう。

例えば今回は、動物を使ったイディオムを紹介しましたが、動物を使ったイディオムはまだまだあります。好きな動物に関するイディオムがあるか調べてみるのも良いですね。

この記事があなたの英語力アップにつながると幸いです。