ビジネスで使える英語イディオム15選【英検®1級英会話講師が解説】TOEIC対策にも

イディオムは、ネイティブが日常会話で頻繁に使う表現です。より自然で流暢な英語を話せるようになるには、継続的な学習が不可欠。今回はビジネスで使えるイディオム15選ご紹介していきます。

■この記事を書いた人
純ジャパながら独学で英検®1級、TOEIC®925を取得。年間300人以上に指導している現役英会話講師です。字幕・吹替・広告翻訳家としての顔も持ち、現在は1児の母として子育てと両立しながらフランス語も話すマルチリンガルに。メディア会社での役職経験を活かした分かりやすい解説で、英語学習に役立つコンテンツをお届けしています。
ビジネスで使える英語イディオム15選
イディオムを使いこなせれば、表現が豊かになります。TOEIC®にも出るビジネス英語のイディオムを見ていきましょう!
at the cutting edge「最先端の」
at the cutting edgeは、「最先端」「最前線」という意味で使われます。新しい技術、アイデア、研究分野など、時代をリードしている状況を表す際に便利なイディオムです。実際に例文をいくつか見てみましょう。
【例文1】 The company is at the cutting edge of battery technology. その会社はバッテリー技術の最先端にいます。 |
【例文2】 Their research is always at the cutting edge of scientific discovery. 彼らの研究は常に科学的発見の最先端をいっています。 |
【例文3】 The brand is known for being at the cutting edge of sustainable fashion. そのブランドは、サステナブルファッションの最先端にいることで知られています。 |
このように、「at the cutting edge」は、技術や研究だけでなく、ファッション、デザイン、ビジネス戦略など、幅広い分野で使うことができます。
at this moment in time「現時点では」
at this moment in timeは、「現時点では」「今のところ」という意味を持つビジネス英語のイディオムです。「at this moment」や「currently」とほぼ同じ意味で使うことができます。実際に例文をいくつか見てみましょう。
【例文1】 We are unable to comment on the ongoing investigation at this moment in time. 現時点では、進行中の調査についてはコメントを差し控えます。 |
【例文2】 At this moment in time, we don’t have enough data to make a final decision. 現時点では、最終決定を下すのに十分なデータがありません。 |
【例文3】 A final launch date has not been confirmed at this moment in time. 現時点では、最終的な発売日は確定しておりません。 |
例文から分かるように、at this moment in timeは、状況が今後変わる可能性があることを示唆するニュアンスを含みます。
blue-sky thinking「自由な発想、独創的なアイデア」
既存の枠にとらわれず、自由な発想で新しいアイデアを生み出すことを指す言葉です。日本語では「青空思考」と訳されることもありますが、ビジネスシーンでは「自由な発想」「独創的なアイデア」といった意味で使われます。実際に例文をいくつか見てみましょう。
【例文1】 We need some blue-sky thinking to solve this problem. この問題を解決するには、自由な発想が必要です。 |
【例文2】 Let’s start the meeting with some blue-sky thinking. No idea is too crazy. まずは自由な発想で会議を始めましょう。どんなアイデアも突飛すぎることなんてありません。 |
【例文3】 The company’s success is based on years of blue-sky thinking by its R&D team. その会社の成功は、研究開発チームによる長年の独創的な発想に基づいています。 *R&D = Research and Development |
「think outside the box」(枠にとらわれずに考える)というイディオムと意味が似ていますが、「blue-sky thinking」の方がより大規模で、制限が一切ない創造的な発想を求めるニュアンスが強いです。
bring to the table「貢献する、価値をもたらす」
「議論や交渉、プロジェクトなどに貢献する」「役立つスキルやアイデア、価値をもたらす」という意味を持つイディオムです。実際に例文をいくつか見てみましょう。
【例文1】 What new skills can you bring to the table in this position? この職務に、どのような新しいスキルを提供できますか? |
【例文2】 He brings a wealth of experience in marketing to the table. 彼はマーケティングにおいて豊富な経験をもたらしてくれます。 |
【例文3】 We’re looking for someone who can bring fresh ideas to the table and help us grow. 私たちは、新しいアイデアを提供し、会社の成長に貢献してくれる人を探しています。 |
「bring to the table」は、単に「持ってくる」という行為ではなく、「議論やプロジェクトに参加することで、積極的に価値を提供する」というニュアンスを含みます。自分の強みをアピールする際にぜひ使ってみましょう。
24 / 7「年中無休、24時間利用可能」
「24時間、週7日」「年中無休」を意味するイディオムです。口語的な表現で、「トゥエンティフォー・セブン」と読みます。実際に例文をいくつか見てみましょう。
【例文1】 Our customer support team is available 24/7. 弊社のカスタマーサポートチームは、年中無休で対応しております。 |
【例文2】 The new service provides 24/7 access to all our resources. この新しいサービスは、すべてのリソースに年中無休でアクセスできます。 |
【例文3】 The factory operates 24/7 to meet the high demand. その工場は、高い需要に応えるために24時間体制で稼働しています。 |
「24/7」は、ビジネスシーンだけでなく、日常生活でも広く使われます。例えば、「He’s always busy 24/7.」(彼はいつも24時間忙しい)のように、「常に」「いつも」といった意味合いでも使われることがあります。
have a window「空き時間がある」
「スケジュールに一時的な空き時間がある」ことを意味するイディオムです。実際に例文をいくつか見てみましょう。
【例文1】 I have a window between 2 PM and 3 PM, so we can meet then. 午後2時から3時の間に空き時間があるので、その時に会うことができます。 |
【例文2】 Let me know if you have a window this week to discuss the project. 今週、このプロジェクトについて話す空き時間があれば教えてください。 |
【例文3】 He said he might have a window tomorrow morning. 彼は明日の午前中、少し時間が取れるかもしれないと言っていました。 |
「have a window」はビジネスにおける「空き時間」を指しフォーマルな響きがあります。一方で「free time」は、仕事以外の「自由時間」を指すことが多いです。
joined-up thinking「統合的思考、全体最適」
「総合的思考」や「全体最適」という意味があり、つまり「物事を部分的に捉えるのではなく、全体として統合的に考えること」を意味するイディオムです。実際に例文をいくつか見てみましょう。
【例文1】 This project requires joined-up thinking from all departments. このプロジェクトは、全部署の連携した思考が必要です。 |
【例文2】 We need more joined-up thinking to improve our company’s efficiency. 会社の効率を向上させるには、もっと統合的な考え方が必要です。 |
【例文3】 The new strategy is a result of joined-up thinking among the leadership team. この新しい戦略は、経営陣の統合的な思考の結果です。 |
例文から分かるように、組織全体としての目標達成に向けた「意識的な連携」を強調する際に使われます。
on a weekly basis「毎週、定期的に」
「毎週」「定期的に」という意味です。実際に例文をいくつか見てみましょう。
【例文1】 We hold a team meeting on a weekly basis. 私たちは毎週チームミーティングを開催しています。 |
【例文2】 The report needs to be updated on a weekly basis. このレポートは毎週更新される必要があります。 |
【例文3】 The project manager provides progress updates on a weekly basis. プロジェクトマネージャーは、毎週進捗状況の報告を行います。 |
「weekly」と同じ意味ですが、文章の中で「どのように、どのくらいの頻度で」というニュアンスを強調するイディオムです。
push the envelope「限界を広げる」
「既存の枠や限界を押し広げる」「新しいことに挑戦する」ことを意味するイディオムです。イノベーションや創造性が求められる場面で、よく使われる表現です。実際に例文をいくつか見てみましょう。
【例文1】 The company is always pushing the envelope with its new designs. その会社は、常に新しいデザインで限界を押し広げています。 |
【例文2】 We need to push the envelope and try a completely different approach. 私たちは限界を押し広げ、まったく異なるアプローチを試す必要があります。 |
【例文3】 To stay ahead of the competition, we have to push the envelope with our technology. 競合に差をつけるためには、私たちの技術で限界を押し広げなければならない。 |
元々航空業界で使われていた言葉で、envelopeは航空機の安全に飛行できる範囲のことです。
suck it and see「やってみる、試行錯誤する」
「とりあえずやってみて、結果を見てみよう」という意味で、まず試してみて結果を待つ、というニュアンスで使われます。実際に例文をいくつか見てみましょう。
【例文1】 We’re not sure if the new software will work, so we’ll just have to suck it and see. 新しいソフトウェアが機能するかどうかは不明なので、とりあえず試してみるしかありません。 |
【例文2】 The best way to learn is to suck it and see what happens. 学ぶ最善の方法は、まずやってみてどうなるかを見ることです。 |
【例文3】 The new marketing campaign is a bit risky, but we decided to suck it and see. 新しいマーケティングキャンペーンは少しリスクがあるが、とりあえずやってみることにした。 |
「suck it and see」は、口語的なフレーズなので、社内会議などで使ってみましょう。
the fact of the matter「実際のところ、本当のところ」
「実際のところ」や「本当のところ」という意味で、状況や事実を強調する際に使われます。
実際に例文をいくつか見てみましょう。
【例文1】 The fact of the matter is that we are over budget. 実際のところ、私たちは予算を超過しています。 |
【例文2】 You can argue all you want, but the fact of the matter is we need to change our strategy. あなたがいくら反論しても、実際のところ、私たちは戦略を変える必要があります。 |
【例文3】 We’ve tried several solutions, but the fact of the matter is, we don’t have enough resources. 私たちはいくつかの解決策を試しましたが、実際のところ、リソースが不足しています。 |
この表現は、感情や個人的な意見を抜きにして、物事の本当のところを伝えたいときに使います。
たとえば、議論が長引いて話が脱線したり、相手が厳しい現実を認めたがらなかったりするような状況で、「これが本質だ」と事実をはっきり伝えるために使える表現です。
the most up-to-date「最新の、最新版の」
「最新の」「最新版の」という意味のイディオムで、情報や技術などが一番新しい状態であることを示します。実際に例文をいくつか見てみましょう。
【例文1】 Please make sure you are using the most up-to-date version of the software. 必ず、ソフトウェアの最新版を使用しているか確認してください。 |
【例文2】 This report contains the most up-to-date market analysis. このレポートには、最新の市場分析が含まれています。 |
【例文3】 We need to check that our client database is the most up-to-date. クライアントデータベースが最新の状態になっているか確認する必要があります。 |
「latest」や「current」と似ていますが、「the most up-to-date」には、「継続的な更新を経て、最新の状態が保たれている」というニュアンスを含みます。
think outside the box「枠にとらわれずに考える」
「枠にとらわれずに考える」という意味で、革新的なアイデアや解決策を生み出すことを指します。実際に例文をいくつか見てみましょう。
【例文1】 To solve this problem, we need to think outside the box. この問題を解決するには、枠にとらわれずに考える必要があります。 |
【例文2】 Don’t be afraid to think outside the box and propose a unique solution. 枠にとらわれず、ユニークな解決策を提案することを恐れないでください。 |
【例文3】 The most successful companies are the ones that think outside the box and innovate. 最も成功している企業は、既成概念を打ち破り、革新を起こす企業です。 |
tick all the boxes「すべての要件を満たす」
「必要な条件や要件をすべて満たしている」ことを意味するイディオムです。「tick」はチェックマーク(✓)を入れることを指し、チェックリストの項目をすべてクリアするイメージから来ています。実際に例文をいくつか見てみましょう。
【例文1】 The new candidate seems to tick all the boxes for this position. その新しい候補者は、この職務に必要な要件をすべて満たしているようです。 |
【例文2】 Does this proposal tick all the boxes in terms of budget and timeline? この提案は、予算とスケジュールの点で全ての要件を満たしていますか? |
【例文3】 The final product ticks all the boxes we outlined in the brief. 最終製品は、私たちが概要書で示したすべての要件を満たしています。 |
例文から分かるように、設定された基準を完璧に満たしていることを表現する際に使われます。
touch base「連絡を取る」
「連絡を取る」「状況を確認する」という意味で、相手に連絡して進捗状況などを共有する際に使われます。実際に例文をいくつか見てみましょう。
【例文1】 Let’s touch base next week to discuss the project’s progress. 来週、プロジェクトの進捗について確認するために連絡を取り合いましょう。 |
【例文2】 I’ll touch base with the client to see if they have any questions. クライアントに連絡を取り、何か質問がないか確認してみます。 |
【例文3】 The team leader said she’d touch base with me tomorrow about the new task. チームリーダーは、新しい仕事について明日連絡をくれると言っていました。 |
このイディオムは、野球の「ランナーが塁(ベース)に触れる」ことに由来しており、短時間で要点を押さえた連絡を取るニュアンスを含んでいます。
ビジネスシーンでは、正式な会議を設定するほどではないが、状況を共有したい場合に便利です。メールや電話で短時間で連絡したい場合に使ってみましょう。
ビジネス英語のイディオムを使おう
英語のイディオムは豊富にあり、数回の勉強で全て覚えることは難しいですが、日常生活の中で意識的に使うことで、自然と使えるようになっていきます。失敗を恐れずに、実際のビジネスシーンで使ってみましょう。