「噓泣き」は英語で?英検1級の英会話講師が解説【今日のフレーズ#16】

子どもがわがままを言うときや、大人が同情を誘おうとするときに使う「嘘泣き」。日本語ではこの一言で表現できますが、英語にはいくつかの言い方があり、それぞれニュアンスが少し異なります。今回は、様々な「嘘泣き」を表現する英語フレーズを、英検1級を持つ講師の視点から3つご紹介します。

この記事を書いた人
・独学で英検®1級合格、TOEIC®925
・英会話講師として年間300人以上に指導
・翻訳家としても活動
・1児の母
・日本生まれ日本育ちの純ジャパ
crocodile tears
crocodile tearsは、直訳すると「ワニの涙」となりますが、「嘘泣き」を意味する最も一般的なイディオムです。ワニが獲物を食べる際に涙を流すという伝説から生まれた表現で、心からの悲しみではない、偽りの涙や同情を表します。少し皮肉めいたニュアンスで使われることが多いです。
【例文1】 Don’t fall for his crocodile tears; he’s just trying to get what he wants. 彼の嘘泣きにだまされてはいけない。彼はただ自分の欲しいものを手に入れようとしているだけだ。 |
【例文2】 She shed crocodile tears when her friend lost the competition, but she was secretly happy. 彼女は友人が競争に負けたとき嘘泣きをしたが、内心は喜んでいた。 |
fake crying
fake cryingは、crocodile tearsよりもシンプルで直接的な表現です。fakeは「偽りの」「偽物の」という意味で、文字通り「偽りの泣き」を意味します。主に子どもの「嘘泣き」に対して使われることが多く、比較的ニュートラルな響きを持っています。
【例文1】 The toddler started fake crying when his mother told him it was time to go home. 母親が「家に帰る時間だよ」と言うと、その幼児は嘘泣きを始めた。 |
【例文2】 He got in trouble for fake crying to get out of doing his chores. 彼は家事から逃れるために嘘泣きをして叱られた。 |
pretend to cry
pretend to cryは、「泣くふりをする」という意味で、fake cryingと同様に直接的でわかりやすい表現です。pretendは「〜のふりをする」という意味で、意図的に泣いているふりをする行為を指します。こちらも、子どもの「嘘泣き」や、演技として泣く場面など、幅広い状況で使えます。
【例文1】 When he realized he wasn’t getting his way, he began to pretend to cry. 自分の思い通りにいかないとわかると、彼は嘘泣きを始めた。 |
【例文2】 She’s a good actress; she can pretend to cry on cue. 彼女はいい女優だ。合図とともに泣くふりをすることができる。 |
上手に使い分けしよう
今回は「嘘泣き」を表現する英語フレーズを3つご紹介しました。crocodile tearsは皮肉を込めたイディオムとして、fake cryingとpretend to cryはより直接的な表現として、それぞれニュアンスが異なります。
これらのフレーズを使い分けることで、あなたの意図する「嘘泣き」をより正確に伝えられます。ぜひ、このブログを参考に、言葉の裏にある感情を読み取ってみてください。